ゼロトラストとは?なぜ必要?従来型セキュリティとの違いを解説

更新日:2026-04-10 公開日:2026-04-10 by Bitmoss

目次

ゼロトラストとは?なぜ必要?従来型セキュリティとの違いを解説ゼロトラスト(Zero Trust)とは、「社内外を問わずすべてのアクセスを信頼せず、都度検証する」という考え方に基づくセキュリティモデルです。

クラウド利用やリモートワークの普及により、従来の「社内は安全」という前提は成り立たなくなっています。ゼロトラストを理解することで、現代のセキュリティ対策の基本と、今後必要になる対策の方向性がわかります。

ゼロトラストとは

ゼロトラストとは、「すべてのアクセスを信頼しない」ことを前提にしたセキュリティモデルです。

従来の境界型セキュリティでは、社内ネットワークを安全とみなし、外部からのアクセスを重点的に防御していました。しかし、クラウド化やリモートワークの普及により、社内外の境界は曖昧になっています。

そのため、ゼロトラストではユーザー・端末・通信のすべてを継続的に検証するという考え方が採用されています。

従来のセキュリティとの違い

ゼロトラストを理解するうえでは、従来の境界型セキュリティとの違いを押さえることが重要です。

項目 境界型セキュリティ ゼロトラスト
考え方 社内は信頼、外部は不信 社内外を問わず、すべて信頼しない
認証・確認 主に入口で確認 アクセスのたびに継続的に確認
想定する脅威 主に外部からの侵入 外部攻撃に加え、内部不正やアカウント侵害も想定
クラウド・リモート対応 対応しづらい 対応しやすい

このように、ゼロトラストはクラウド時代の働き方やシステム環境に適したセキュリティモデルといえます。

なぜゼロトラストが必要なのか

ゼロトラストが注目される背景には、以下のような要因があります。

  • クラウドサービスの普及により、社内ネットワークの外に重要なデータや業務システムが増えている
  • リモートワークの増加により、さまざまな場所・端末からのアクセスが常態化している
  • 内部不正や設定ミスによる情報漏えいリスクが高まっている
  • ID・パスワードの漏えいによる不正アクセス被害が増えている

近年の脅威動向については、情報セキュリティ10大脅威も参考になります。

ゼロトラストを構成する主な要素

ゼロトラストは特定の製品名ではなく、複数の対策を組み合わせて実現する考え方です。代表的な構成要素は次のとおりです。

ID・認証(IAM)

ユーザー認証とアクセス制御はゼロトラストの中核です。誰が、どのシステムに、どの権限でアクセスできるかを適切に管理する必要があります。詳しくはIAMとはをご覧ください。

多要素認証(MFA)

ID・パスワードだけに依存せず、追加の認証要素を組み合わせることで、認証情報が漏えいした場合のリスクを低減します。

デバイス管理

端末のOS更新状況、セキュリティソフトの有無、管理対象端末かどうかなどを確認し、安全な端末のみアクセスを許可することが重要です。

ネットワーク制御

アクセス元や通信経路、接続先の情報をもとに、通信を細かく制御します。必要に応じてアクセス範囲を最小限に絞る考え方が重要です。

アプリケーション保護

Webアプリケーションに対する攻撃を防ぐために、AWS WAFのような対策を組み合わせることも有効です。

ログ・監査

すべてのアクセスや操作を記録し、不正検知やインシデント対応に活用します。ゼロトラストでは「アクセスを許可して終わり」ではなく、その後の可視化と追跡も重要です。

ゼロトラストとISMAPの関係

ゼロトラストの考え方は、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAPとも相性が良いといえます。

ISMAPでは、アクセス制御・ログ管理・認証強化・運用体制の整備などが重視されます。これらは、ゼロトラストの実践においても重要な要素です。

制度の詳細についてはISMAPとはをご覧ください。

ゼロトラスト導入の考え方

ゼロトラストは、一度にすべてを入れ替えるものではありません。現実的には、優先度の高い領域から段階的に整備していくケースが一般的です。

  • まずはID管理や多要素認証を強化する
  • 端末管理やアクセス制御を整備する
  • ログ収集・監査体制を強化する
  • システム全体を通じて継続的に見直す

ゼロトラストを前提としたクラウド構成を検討する際は、認証やアクセス制御だけでなく、基盤選定も重要になります。国産クラウドを含めて比較したい方は、さくらのクラウドとは?特徴・料金・AWSとの違いもあわせてご覧ください。

ゼロトラストに関するよくある誤解

  • ゼロトラストは特定の製品名ではなく、セキュリティの考え方である
  • ゼロトラストを導入しても、すべてのリスクがなくなるわけではない
  • VPNが不要になるとは限らず、要件によっては併用される
  • 一度構築して終わりではなく、継続的な運用改善が必要である

まとめ

ゼロトラストは、従来の「社内は安全」という前提を見直し、すべてのアクセスを検証することで安全性を高めるセキュリティモデルです。

クラウドやリモートワークが当たり前になった現在、ゼロトラストの考え方は多くの企業にとって重要性を増しています。

まずはIAMや多要素認証、端末管理、ログ管理など、取り組みやすい領域から段階的に整備していくことが現実的です。

ゼロトラストを前提とした環境整備では、認証やアクセス制御だけでなく、クラウド基盤の選定も重要です。国産クラウドを含めて構成を検討したい方は、さくらのクラウドを活用した設計・移行・運用支援もご相談いただけます。

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さくらのクラウドやAWSを活用した構成設計・移行・運用についてご相談いただけます。
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よくある質問(FAQ)

ゼロトラストとは何ですか?

ゼロトラストとは、社内外を問わずすべてのアクセスを信頼せず、その都度検証することを前提としたセキュリティモデルです。

ゼロトラストと従来のセキュリティの違いは何ですか?

従来の境界型セキュリティは「社内は安全、外部は危険」という前提で設計されていましたが、ゼロトラストでは社内外を問わずすべてのアクセスを検証します。

ゼロトラストはすぐに導入できますか?

一度にすべてを導入するのではなく、ID管理や多要素認証の強化など、優先度の高い領域から段階的に進めるのが一般的です。

ゼロトラストとSASEの違いは何ですか?

SASEは、ネットワークとセキュリティをクラウドベースで統合する考え方です。ゼロトラストはその中核となる考え方のひとつとして位置づけられることがあります。

ゼロトラストはVPNを不要にしますか?

必ずしもそうではありません。要件によってはVPNを引き続き利用しながら、認証やアクセス制御を強化する形でゼロトラストを進めることもあります。

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