さくらのクラウドとは?特徴・料金・AWSとの違いをわかりやすく解説
更新日:2026-03-31 公開日:2026-03-31 by Bitmoss
さくらのクラウドとは、さくらインターネットが提供する国産IaaS(Infrastructure as a Service)です。
サーバー、ストレージ、ネットワークなどのITインフラをクラウドで利用でき、国内向けシステムに求められるコストの見通しやすさやデータ管理のしやすさから選ばれています。
特に、円建て料金、データ転送料課金なし、20日以上の継続利用で月額料金が自動適用される料金体系、ISMAP登録対応といった特徴は、国内企業や自治体関連案件を検討する際の判断材料になりやすいポイントです。国産クラウドを検討している企業にとって、有力な選択肢のひとつです。
一方で、AWSのようなグローバルクラウドと比べると、サービス数や海外展開の選択肢には違いがあります。つまり、用途に応じて選ぶことが重要です。
本記事では、さくらのクラウドの基本情報、料金、AWSとの違い、向いている企業、ISMAPとの関係まで、導入判断に必要なポイントをわかりやすく解説します。
さくらのクラウドとは
さくらのクラウドとは、さくらインターネットが提供する国産IaaSです。
IaaSとは、サーバー、ストレージ、ネットワークといったITインフラをインターネット経由で利用できるサービス形態を指します。物理サーバーを自社で調達・保守しなくても、必要な分だけリソースを利用できます。
さくらのクラウドは、国内データセンターで運用されるクラウド基盤として、Webシステム、業務システム、バックアップ基盤、BCP・DR構成などに活用されています。
さくらのクラウドの特徴を3つで整理
さくらのクラウドの特徴は、次の3つに整理できます。
1. 国産クラウドである
さくらのクラウドは、日本企業であるさくらインターネットが提供し、国内リージョンで運用されているクラウドです。
そのため、国内データ保管要件や、国内法・国内ガイドラインを意識した説明がしやすい点が特徴です。特に、医療、金融、公共分野など、データの所在や説明責任が重視される場面では重要な判断材料になります。
2. コストを予測しやすい
さくらのクラウドは円建て料金で提供されており、為替変動の影響を受けません。また、同一リソースを20日以上継続して利用した場合は、20日分の料金が上限として自動適用される仕組みがあります。
さらに、データ転送量による従量課金がないため、転送料が想定外に膨らむリスクを抑えやすい点も特徴です。
3. 国内向けシステムに必要な機能を押さえやすい
仮想サーバー、ストレージ、ロードバランサ、VPN、CDN、WAF、オブジェクトストレージなど、国内企業のWebシステムや業務基盤で使いやすい機能が揃っています。
また、リージョン・ゾーンの考え方が比較的シンプルで、構成を理解しやすいことも、運用面ではメリットです。
さくらのクラウドの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社 | さくらインターネット株式会社 |
| サービス種別 | 国産IaaS |
| 主な用途 | Webシステム、業務システム、バックアップ、BCP・DR構成 |
| 料金体系 | 円建て、従量課金、20日以上の利用で月額自動適用 |
| データ転送 | データ転送量による従量課金なし |
| ISMAP | 対象サービスとして登録あり |
さくらのクラウドの料金はどう決まるのか
さくらのクラウドの料金は、基本的に時間単位の従量課金です。ただし、同じリソースを継続利用した場合、20日分を超えた時点でそれ以上は月額料金が適用されます。
この仕組みにより、短期利用では従量課金、長期利用では月額固定に近い運用ができ、用途に応じて無理なく使い分けやすくなっています。
向いているケース
- 検証環境や一時的なプロジェクト
- 本番環境として常時稼働する業務システム
- データ転送量が多く、転送料の予測が難しいシステム
さくらのクラウドはISMAPに対応しているのか
さくらのクラウドは、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)の対象サービスとして登録されています。
ISMAPは、政府や自治体系案件でクラウド選定時の重要な判断基準になる制度です。公共案件や準公共領域でクラウドを検討する場合、ISMAP対応は無視しにくい要素です。
そのため、自治体関連、教育、医療、金融など、説明責任や調達要件が重視される案件では、さくらのクラウドが候補になりやすい場面があります。
ISMAPの制度そのものを詳しく知りたい場合は、ISMAPとは?の記事もあわせてご覧ください。
さくらのクラウドとAWSの違い
結論として、国内要件やコスト管理を重視するならさくらのクラウド、グローバル展開やサービスの豊富さを重視するならAWSが適しています。
比較検討でよく挙がるのがAWSとの違いです。さくらのクラウドは、国内要件に合わせた説明のしやすさやコスト予測のしやすさに強みがあります。一方、AWSはサービス数や海外展開、先端サービスの豊富さで優位性があります。
| 比較項目 | さくらのクラウド | AWS |
|---|---|---|
| 料金通貨 | 円建て | ドル建て |
| データ転送料 | 従量課金なし | 課金あり |
| データ主権 | 国内運用を説明しやすい | グローバル基盤 |
| サービス数 | 国内向けに必要な機能を絞り込みやすい | 非常に多い |
| 向いているケース | 国内向け業務基盤、公共・準公共、コスト管理重視 | グローバル展開、大規模分散、先端サービス活用 |
さくらのクラウドが向いている企業
さくらのクラウドは、特に次のような企業・組織に向いています。
- 国内データ保管要件を重視する企業
- 為替の影響を避けてクラウドコストを安定させたい企業
- 医療、金融、自治体関連など、説明責任が重視される案件を扱う企業
- Webシステムや業務システムをシンプルに運用したい企業
- 国内サポートを重視する企業
さくらのクラウドが向いていないケース
一方で、以下のようなケースではAWSなど他のクラウドの方が適している場合があります。
- 海外リージョンを前提としたグローバル展開
- 多数のマネージドサービスを組み合わせる複雑なクラウド設計
- AWS前提で設計・運用している既存環境との強い連携が必要なケース
データセンターとリージョンの考え方
さくらのクラウドでは、リージョンとゾーンの概念でリソースの配置を考えます。リージョンは地域単位、ゾーンはその配下にある物理的に分離された設備単位です。
特に石狩リージョンは、BCPやDRの観点から注目されやすい拠点です。詳しくは、石狩第3ゾーンとは?の記事も参考にしてください。
サポート体制
さくらのクラウドでは、無償サポートに加えて、24時間365日対応のプレミアムサポートも用意されています。
また、導入時にはサービスそのものの機能理解だけでなく、クラウドの設計、移行、運用まで含めて事前に整理しておくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
さくらのクラウドとは何ですか?
さくらインターネットが提供する国産IaaSです。サーバー、ストレージ、ネットワークなどをクラウドで利用でき、国内向けシステムの基盤として使われています。
さくらのクラウドはISMAPに対応していますか?
対象サービスとしてISMAP登録があります。公共案件や準公共領域でクラウド選定時の判断材料になります。
さくらのクラウドとAWSの違いは何ですか?
さくらのクラウドは、円建て料金、データ転送料課金なし、国内データ保管を説明しやすい点が特徴です。AWSはサービス数やグローバル展開で優位性があります。
さくらのクラウドはどんな企業に向いていますか?
国内向け業務システムを運用したい企業、コストの予測しやすさを重視する企業、ISMAPや国内要件を意識する企業に向いています。
まとめ
さくらのクラウドは、国産IaaSとして、国内向けシステムに求められるコスト管理、国内データ保管、ISMAP対応、運用のしやすさを重視したい企業に向いているクラウドです。
一方で、すべてのケースに最適というわけではありません。AWSとの違いや、自社の運用体制、必要な機能、将来の拡張性を踏まえて選定することが重要です。
「国内要件を優先するのか」「サービス数やグローバル性を優先するのか」を整理することが、クラウド選定では大切です。
さくらのクラウドを自社に適用する場合、「どの構成が適切か」「コストはどの程度か」といった設計段階での判断が重要になります。