さくらのクラウド「石狩第3ゾーン」とは?リージョン構成とメリットを解説
更新日:2026-03-09 公開日:2025-12-11 by Bitmoss
石狩第3ゾーンとは、さくらのクラウド石狩リージョン内に追加された新しいゾーンです。同一リージョン内でより柔軟な冗長構成や可用性向上を実現しやすくする基盤として提供されています。
さくらインターネットは、2025年9月25日に「さくらのクラウド」石狩リージョンの第3ゾーンを開設しました。これにより、従来の第1・第2ゾーンに加えて、石狩リージョン内で3つのゾーンを活用した構成が可能になりました。
石狩リージョンは、北海道の冷涼な気候を活かしたデータセンター立地が特徴です。可用性やBCP対策を強化しながら、環境負荷にも配慮したクラウド基盤を検討したい企業にとって、有力な選択肢のひとつといえます。
本記事では、石狩第3ゾーンの概要、石狩リージョンで構成するメリット、BCP・DRの観点で押さえたいポイントをわかりやすく解説します。
石狩第3ゾーンとは
石狩第3ゾーンとは、さくらのクラウドの石狩リージョン内に新設されたゾーンです。
さくらのクラウドでは、リソースの物理的な位置を「リージョン」と「ゾーン」で管理します。リージョンは東京・石狩などの地域単位、ゾーンはその配下にある物理的に分離された設備単位です。
石狩第3ゾーンの追加により、石狩リージョン内でより柔軟な冗長構成を取りやすくなり、高可用性を意識した設計の選択肢が広がりました。
リージョンとゾーンの違い
石狩第3ゾーンを理解するには、まず「リージョン」と「ゾーン」の違いを押さえることが重要です。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| リージョン | 東京、石狩などの地域単位。地理的な分散や広域BCPを考える際の基本単位 |
| ゾーン | 同一リージョン内で物理的に分離された設備単位。可用性向上や冗長構成で活用 |
同一リージョン内の複数ゾーン構成は、リージョン間分散に比べて低遅延で構成しやすい一方、広域災害レベルのDRとは役割が異なる点に注意が必要です。
石狩第3ゾーンが注目される理由
1. 石狩リージョン内で冗長構成を取りやすくなった
石狩リージョンに第3ゾーンが追加されたことで、同一リージョン内でのシステム分散設計の自由度が高まりました。
たとえば、Webサーバーやアプリケーションサーバー、データベースなどを複数ゾーンに分けて配置することで、単一障害点のリスクを抑えやすくなります。
2. 可用性を高めながら低遅延を維持しやすい
同一リージョン内のゾーン間構成は、リージョンをまたぐ構成と比較して、ネットワーク遅延を抑えやすいのが利点です。
そのため、以下のようなシステム構成と相性が良いと考えられます。
- Webアプリケーションの冗長化
- データベースの高可用性構成
- ファイルサーバーや業務システムの分散配置
- バックエンド処理系の冗長化
3. 大規模案件の受け入れ余地が広がった
さくらインターネットは、石狩第3ゾーンの開設により、石狩リージョンでのリソース受け入れ体制を強化しています。
これまで石狩リージョンの既存ゾーンだけでは対応しにくかった案件に対しても、選択肢が広がった点は大きな変化です。
なぜ石狩リージョンなのか
北海道の冷涼な気候を活かした環境配慮型データセンター
石狩データセンターの特徴のひとつは、北海道の冷涼な外気を活用した冷却方式です。
さくらインターネットは石狩データセンターで外気冷房を採用しており、空調にかかる消費電力の削減を図っています。こうした仕組みは、電力効率の改善や環境配慮の観点で注目されています。
石狩データセンター外気空調システム概念図
そのため、石狩リージョンは単なるBCP対策の候補地としてだけでなく、サステナビリティを意識したIT基盤の選択肢としても検討しやすいリージョンです。
地理分散の観点でも検討しやすい
首都圏や関西圏にシステムを集中させている企業にとって、北海道への拠点分散はBCPの観点で意味があります。
特に、重要システムのバックアップ配置や、主要拠点とは別エリアでの冗長化を検討している場合、石狩リージョンは候補になりやすい立地です。
石狩第3ゾーンで実現しやすくなる構成
同一リージョン内のマルチゾーン構成
石狩第3ゾーンの追加により、石狩リージョン内で複数ゾーンを活用した構成が取りやすくなりました。
たとえば、以下のような考え方が可能です。
- フロント系とバックエンド系を別ゾーンに分散する
- データベースを複数ゾーンで冗長化する
- まずは2ゾーンで始め、必要に応じて3ゾーンへ拡張する
特に中小企業にとっては、最初から大規模なDR構成を組むのではなく、同一リージョン内の複数ゾーンから段階的に可用性を高めるアプローチが現実的です。
広域DRとは役割を分けて考える
一方で、同一リージョン内の複数ゾーン構成は、あくまで可用性向上や設備障害への備えとして有効な考え方です。
大規模災害などの広域DRまで含めて考える場合は、東京リージョンなど別リージョンとの組み合わせも視野に入れる必要があります。
つまり、石狩第3ゾーンは「高可用性の強化」と「広域DRの代替」は同じではないという前提で活用するのが重要です。
企業が石狩第3ゾーンを検討するべきケース
石狩第3ゾーンは、特に次のような企業に向いています。
- 同一リージョン内で可用性を高めたい企業
- BCP対策を強化したいが、過度に複雑な構成は避けたい企業
- 環境配慮型データセンターを活用したい企業
- 首都圏集中リスクを見直したい企業
- 将来的にマルチゾーン構成へ拡張したい企業
石狩第3ゾーンを活用する際の注意点
ゾーンをまたげない機能もある
さくらのクラウドでは、サーバーとディスクの接続など、一部の操作は同一ゾーン内のみで行える制約があります。
そのため、マルチゾーン構成を設計する際は、単純に「分散すればよい」のではなく、ゾーン間で使える機能・使えない機能を踏まえた設計が必要です。
DRと可用性を分けて考える
同一リージョン内のゾーン分散は、低遅延で構成できる点が魅力ですが、災害リスクの完全な分離を意味するわけではありません。
「可用性向上のためのマルチゾーン」と「広域災害に備えるDR」は、目的を分けて設計するのが基本です。
よくある質問(FAQ)
石狩第3ゾーンとは何ですか?
さくらのクラウド石狩リージョンに追加された新しいゾーンです。石狩リージョン内で冗長構成や高可用性設計を取りやすくするための選択肢として注目されています。
石狩第3ゾーンはいつ開設されましたか?
2025年9月25日に開設されました。
石狩データセンター外観(正面:3号棟、左:1・2号棟)
石狩第3ゾーンを使うメリットは何ですか?
同一リージョン内で複数ゾーン構成を取りやすくなり、可用性向上や段階的な冗長化設計を進めやすくなる点です。
石狩第3ゾーンだけでDR対策は十分ですか?
設備障害への備えや可用性向上には有効ですが、広域災害まで含めたDRを考える場合は、別リージョンとの組み合わせも検討するのが一般的です。
さくらのクラウドを活用したインフラ構成やBCP対策を検討している場合は、クラウドの設計や運用を含めた導入支援も重要になります。
さくらのクラウドの特徴や導入支援については、以下のサービスページも参考にしてください。
さくらのクラウド導入支援サービスはこちら
まとめ
石狩第3ゾーンは、さくらのクラウド石狩リージョン内で高可用性を意識した構成を取りやすくする新たな選択肢です。
北海道の冷涼な気候を活かした環境配慮型データセンターという特性に加え、石狩リージョン内での冗長構成の自由度が高まったことで、BCPや安定運用を重視する企業にとって検討価値が高まっています。
一方で、同一リージョン内のマルチゾーンは、広域DRとは役割が異なります。可用性向上と災害対策の目的を整理したうえで、最適な構成を検討することが重要です。