2023年の警察庁の報告によると、日本国内においてWeb改ざん攻撃が急激に増加し、その手口はさらに巧妙化しています。単なるページの改変にとどまらず、フィッシングサイトへの誘導や、マルウェアを埋め込んでの悪質な攻撃が横行している状況です。
今やWeb改ざんは他人事ではなく、すべての企業や個人に迫る現実的な脅威と言えます。
この入門編では、Web改ざんの仕組みや影響、そして今すぐにできる対策をわかりやすく整理します。Web改ざんの基礎を理解し、具体的な防止策を学ぶことで、情報漏洩や信頼低下を防ぎ、安全なインターネット環境を構築するための第一歩を踏み出しましょう。
Web改ざんとは
Web改ざんとは、悪意を持った第三者がWebサイトの内容を意図的に改変する行為です。サイトの管理が不十分な場合、攻撃者に入り込まれやすく、被害に遭う可能性が高まります。
改ざんされたサイトは、訪問者を詐欺ページへ誘導したり、マルウェア感染を引き起こしたりすることがあり、サイト運営者だけでなく利用者にも被害が及ぶ点が大きな問題です。
Web改ざんの種類と手法
Web改ざんにはさまざまな種類と手法があります。攻撃者は動機や目的に応じて手口を使い分け、技術の進化に伴って新しい攻撃も次々と生まれています。
ここでは「改ざんの種類」と「改ざんに使われる手法」を分けて紹介します。
Web改ざんの主な種類
マルウェア注入:Webページに悪意のあるソフトウェアを埋め込み、訪問者のデバイスに感染させる方法です。感染によって端末の乗っ取りやデータの窃取が行われます。
ページの書き換え(deface/デフェイス):Webページの内容を別のメッセージや画像に置き換える手法で、政治的な主張や企業イメージの毀損を狙うケースが多く見られます。
フィッシング詐欺用ページの埋め込み:サイト内に偽の入力ページを仕込み、訪問者に個人情報やクレジットカード情報を入力させる手口です。
別サイトへのリダイレクト:訪問者を自動的に悪意のある別サイトへ転送する手法で、フィッシングサイトやマルウェア配布ページへの誘導に使われます。
Web改ざんに用いられる代表的な手法
XSS(クロスサイトスクリプティング):悪意のあるスクリプトをページに挿入し、訪問者のブラウザ上で実行させる手法です。個人情報の窃取や不正操作につながります。
SQLインジェクション:入力フォームなどから不正なSQL文を送り込み、データベース内の情報を盗んだり破壊したりする手法です。
ゼロデイ攻撃:脆弱性が発見されてから修正パッチが適用される前の“隙”を突く攻撃で、被害側が気づきにくく、被害が広がりやすい特徴があります。
ボットネットを利用した攻撃:感染した複数端末をボットネットとして遠隔操作し、一斉に脆弱なサイトを狙う手法です。大規模な改ざんやDDoS攻撃に発展することもあります。
Web改ざんが発生する原因
Web改ざんが起きる背景には、サイトのセキュリティホール、脆弱なパスワード管理、古いソフトウェアの利用など、複数の要因が重なっています。たとえば古いCMSを使い続けていると、既知の脆弱性を悪用されやすくなりますし、推測されやすい弱いパスワードが原因で管理者アカウントを奪われるケースも少なくありません。
Web改ざんの影響
Web改ざんは、見た目やページ内容の変化にとどまらず、個人や企業に深刻な影響を及ぼします。特に注意すべきなのは、個人情報の漏洩、信用低下、法的リスク、SEOパフォーマンスの低下といった二次被害です。
個人情報の漏洩
改ざんによって、ユーザーの入力情報やデータベース内の情報が不正に取得されるリスクがあります。オンラインショッピングサイトでクレジットカード情報や住所が盗まれる事例は、典型的な被害です。
企業や個人の信用低下
改ざんサイトを経由した被害が発生すると、「そのサイトは危険だ」という印象が広がり、利用者の離脱や取引停止などにつながります。一度失った信頼を取り戻すには、長い時間とコストが必要です。
法的リスクとSEOパフォーマンスの低下
改ざんにより違法・不適切なコンテンツが掲載された場合、運営者が責任を問われる可能性があります。また検索エンジンは安全性の低いサイトを評価しないため、検索順位の大幅低下やインデックス除外につながることもあります。
最新のWeb改ざん事例
近年のWeb改ざんは手法が高度化しており、被害規模も拡大傾向です。2023年には、セキュリティパッチ未適用の脆弱性を突いたゼロデイ攻撃により企業サイトが改ざんされ、訪問者をフィッシングサイトへ誘導する事件が発生しました。結果として、クレジットカード情報やパスワードなどの個人情報が大量に盗まれたと報告されています。
同年には、XSSを悪用して大手Eコマースサイトが改ざんされ、訪問者のブラウザ上でログイン情報や決済情報を抜き取る被害も確認されました。こうした攻撃では被害総額が数億円規模にのぼったとされています。
さらに、SQLインジェクションによって顧客情報データベースが抜き取られ、改ざんに気づくまで数週間かかった例もあります。気づいた時には数千件規模の個人情報が流出していた、という深刻なケースです。
これらの事例が示す通り、Web改ざんは多様な手口で実行され、企業・個人双方に大きなリスクをもたらします。最新の攻撃動向を知り、対策を更新し続けることが不可欠です。
Web改ざんの検知と防止策
Web改ざんを防ぐうえでは、早期の検知と継続的な予防策が重要です。監視ツールやログ分析で不審な兆候をいち早くつかみ、脆弱性診断やアップデートで侵入経路を塞ぐ、という二段構えが基本になります。
監視ツールとログ分析の活用
サイトの状態を常時監視し、異常発生時にすぐ気づける体制を作ることで、被害拡大を防げます。監視ツールとログ分析を組み合わせると、攻撃の兆候を早期に察知し、迅速な対処につなげやすくなります。
異常トラフィックの検知
通常のアクセス数を大きく超えるトラフィックや、不自然な時間帯でのアクセス急増は攻撃のサインになり得ます。こうした異常を見逃さず、早期に遮断・調査できる仕組みが有効です。
セキュリティ対策の基本とアップデート
攻撃手法は日々進化するため、ソフトウェアやプラグインは常に最新状態を保つ必要があります。定期的な更新と脆弱性修正の積み重ねが、最大の防御策になります。
脆弱性診断と外部サービスの活用
脆弱性診断を定期的に実施すれば、潜在的な弱点を早期に洗い出し、悪用される前に対処できます。加えて外部の専門サービスを活用することで、社内では見落としやすいリスクやゼロデイ脆弱性への備えも強化できます。
Web改ざん発生時の対応
万が一改ざんが発生した場合は、迅速に事実確認と復旧を進め、被害を最小化することが重要です。侵入経路の特定・封鎖、バックアップからの復元、セキュリティホール修正を行い、必要に応じて関係者や公的機関へ適切に報告しましょう。
まとめ
Web改ざんは、個人情報の流出や企業の信頼低下といった深刻な影響をもたらすサイバー攻撃です。これを防ぐためには、監視体制の強化、脆弱性診断、パッチ適用を継続的に行い、最新の脅威に対応できる状態を維持することが欠かせません。
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