【用語解説】プロトコルとは?初心者でもわかる通信ルールの基本

更新日:2025-08-19 公開日:2025-08-19 by Bitmoss

目次

【用語解説】プロトコルとは?初心者でもわかる通信ルールの基本インターネットを使っている際、データはさまざまな機器を通じてやり取りされます。このやり取りがスムーズに行われるためには「プロトコル」と呼ばれるルールが欠かせません。プロトコルがあることで、異なる機器同士が通信できるようになります。

さらに、プロトコルの理解は「通信の仕組みを深く理解することで、問題解決・設計・提案・セキュリティに強くなれる」という大きなメリットにつながります。

本記事ではプロトコルがどのように機能し、なぜ必要なのかを初心者にも分かりやすく解説します。

プロトコルとは

プロトコル(Protocol)とは、ネットワーク上でデータをやり取りする際に必要な共通のルールや手順のことです。コンピューターやスマートフォンなどの通信機器はメーカーや機種ごとに構造が異なるため、共通の規則がなければ相互通信はできません。そこで国際的に標準化されたプロトコルが用いられることで、異なる機器同士でも正しくデータを送受信できます。

プロトコルによる通信の仕組み

プロトコルは以下のようなルールを定めています。

  • データの形式(フォーマット)
  • 送受信の手順(リクエスト/レスポンス)
  • 通信の開始・終了方法

これにより、異なる機器同士が共通の言語を使って通信することを可能とします。

例えば、ウェブページを開く場合、クライアント(Webブラウザ)はサーバーとHTTPというプロトコルを使ってデータをやり取りします。この際に、HTTPはデータ形式やリクエスト(要求)の送信方法、レスポンス(返答)の受け取り方など、通信に必要なルールをすべて定めます。
プロトコルを利用することで、送信側と受信側が共通のルールに基づいてデータをやり取りできるため、間違った解釈やエラーを防ぐことができます。

プロトコルによる通信の仕組み

代表的なプロトコル

プロトコルには、さまざまな種類があります。以下に、代表的なプロトコルを5つ紹介します。

TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)

TCP/IPは、インターネット通信の基盤となるプロトコルです。TCPは、データが確実に送信されるように管理し、IPはデータがどのルートで送られるかを決定します。この2つが組み合わさることで、インターネット上で信頼性の高いデータ転送が実現します。

HTTP/HTTPS(Hypertext Transfer Protocol/Secure)

HTTPは、Webブラウザとサーバー間でWebページのデータを送受信するときに使われるプロトコルです。例えば、Webページを開いたときにHTTPを使ってデータがやり取りされます。
HTTPSは、HTTPによる通信に暗号化を加えて、安全性を高めたプロトコルです。HTTPSの「S」は「Secure(セキュア)を意味し、通信のセキュリティを強化するために、SSL/TLSという技術が使用されています。サーバーとクライアント間でSSL/TLS証明書を用いて安全な接続を確立します。これにより、インターネットを通じて送信される情報が暗号化され、第三者による不正アクセスや盗聴されるリスクを減らします。

FTP(File Transfer Protocol)

FTPは、インターネットを使ってファイルを転送するためのプロトコルです。特に、Webサーバーとクラウド間でファイルをアップロードしたり、ダウンロードしたりする際に利用されます。

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)

SMTPは、電子メールを送信するためのプロトコルです。送信側のサーバーから受信側のサーバーにメールの転送を行います。

DNS(Domain Name System)

DNSは、インターネット上で使われるドメイン名と実際に通信を行うために必要なIPアドレスを相互に変換するためのプロトコルです。これにより、ユーザーは覚えやすいドメイン名を使用してWebサイトにアクセスできるようになります。

プロトコルの階層構造

プロトコルは、機能ごとに階層(レイヤー)を分けて設計されています。各レイヤーはそれぞれ独自の役割を担っており、異なる機能のプロトコルがそれぞれのレイヤーで動作します。この階層構造により、複雑なネットワーク通信が整理され、柔軟かつ効率的な通信が可能になります。最も一般的な階層モデルには、「OSI参照モデル」と「TCP/IPモデル」があります。

OSI参照モデル

OSI参照モデルは7つの階層で構成されています。

名称

概要

7層

アプリケーション層

アプリごとの処理

6層

プレゼンテーション層

データの表現形式を統一

5層

セッション層

通信の開始・維持・終了を制御

4層

トランスポート層

エンド間の通信制御

3層

ネットワーク層

データを送る相手を決め、最適な経路で送信

2層

データリンク層

隣接する機器同士の通信を実現

1層

物理層

物理的な接続、電気信号

TCP/IPモデル

現在では、インターネット通信などで一般的な「TCP/IPモデル」が広く普及しています。4つの階層に分割されており、OSI参照モデルよりも実用的です。TCP/IPモデル

まとめ

プロトコルは、異なる機器同士がデータを正確にやり取りするために必要なルールです。インターネット上での通信は、さまざまなプロトコルによって支えられています。代表的なプロトコルにはTCP/IPやHTTPなどがあり、それぞれ特定の目的に応じた通信を行います。これにより通信が整備され、複雑なネットワーク環境でもスムーズなやり取りが実現できます。

この記事をシェアする

  • 記事をnoteでシェアnote
  • 記事をメールでシェアメール
  • 記事のリンクをコピーリンクをコピー

関連記事