【用語解説】Amazon Q(アマゾン キュー)とは?AIで業務効率を変える新ツール

更新日:2025-10-21 公開日:2025-10-21 by アツシバ

目次
【用語解説】Amazon Q(アマゾン キュー)とは?AIで業務効率を変える新ツール

Amazon Qってどんなサービス?

Amazon Q(アマゾン キュー)は、AWS(Amazon Web Services)が開発した企業専用の生成AIアシスタントです。ChatGPTのように自然な言葉で質問や指示をすると、社内データや文書をもとに回答したり、資料作成やプログラミングを支援したりします。

主な特徴は次の通りです。

•会社のデータや資料を読み込んで、質問に答えてくれる
•プログラミングやレポート作成などの仕事を手伝ってくれる
•会社の機密情報を安全に扱える


Amazon Qは2023年に発表され、2024年4月に正式提供が開始されました。

主に開発者向けとビジネス向けの2タイプがあります

Amazon Q Developer(開発者向け)

開発者の生産性を高めるAIアシスタントです。

  • コードの自動生成や補完に対応
  • バグの検出と修正提案を行う
  • 対応言語:Python、Java、C++、C#、Go、Ruby、Rustなど多数

Amazon Q Business(ビジネスユーザー向け)

一般社員が日常業務で利用できるAIアシスタントです。

  • 社内規定や手順に関する質問に即時回答
  • 会議メモやレポートの自動作成をサポート
  • メール下書きの作成支援も可能
例:「有給休暇の申請方法は?」と聞くと、社内マニュアルから該当部分を探して教えてくれます。

Amazon Qの主な機能

1. 社内情報への質問応答

自然な言葉で質問するだけで、マニュアル・データベース・メールなどから情報を抽出し、出典付きで回答します。どの資料を参照したかがわかるため、回答の信頼性も高くなります。

2. データ分析とレポート作成

Amazon Q in QuickSight」と連携することで、売上データの分析やダッシュボードの自動作成が可能です。

例:「今月の売上を分析して」と指示すると、グラフ付きのレポートを生成してくれます。

3. 定型作業の自動化

プラグインを活用して、以下のような繰り返し作業を効率化します。

  • メールの整理や返信案の作成
  • 会議予定の調整
  • 書類の作成補助
  • 問い合わせ対応の自動化

4. 各種業務ソフトとの連携

Microsoft 365、Slack、Salesforce、Jira、Google Drive、SharePoint、Amazon S3など、主要な業務ツールと公式コネクタで連携できます。

セキュリティと信頼性

情報保護の仕組み

  • アクセス権限に基づき、社員は自分が閲覧できる範囲の情報のみ利用可能
  • 社内データはAWS環境内で安全に処理
  • 他社AIの学習には利用されないため、情報漏えいリスクを軽減

精度向上と誤回答防止

  • 回答内容には参照元資料を明示(引用機能)
  • ハルシネーション(誤情報)を抑える機能で、回答の整合性を自動チェック
  • ただし、最終判断は人間による確認が推奨されています

利用シーンの例

  • 社内ヘルプデスク:24時間いつでも「経費精算の方法」などを質問可能

  • プログラミング支援:「ログイン画面を作って」と指示するだけでコード生成

  • データ分析・レポート作成:QuickSightと連携して売上分析やグラフ作成を自動化

  • 顧客対応支援:過去の問い合わせ履歴をもとに最適な回答を提示

料金体系(2025年10月時点・USD)

  プラン名 料金
Amazon Q Developer 無料プラン 基本機能を提供
Proプラン $19/ユーザー/月
Amazon Q Business
最大50ユーザー・60日間の無料トライアルあり
Liteプラン $3/ユーザー/月
Proプラン $20/ユーザー/月


※為替レートにより円換算価格は変動します。最新情報はAWS公式サイトをご確認ください。

QuickSight(Quick Suite)との関係

Amazon QuickSight(2025年10月からはQuick Suiteに名称変更)は、AWSが提供するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。
このツールにAmazon Qの機能が統合され、「Amazon Q in QuickSight」としてデータ分析や可視化を支援します。

なお、Quick SuiteはAmazon Qの新バージョンではなく、QuickSight自体の進化版です。つまり、Amazon QがQuickSightに組み込まれ、より強力になったと考えるとわかりやすいでしょう。

 

他社AIアシスタントとの比較

競合として、Microsoft CopilotやGoogle Geminiがあります。

Amazon Qの強みは以下の通りです。

  • AWS利用企業なら導入が容易
  • 幅広い業務ソフトと連携可能
  • 2025年、Gartner「AI Code Assistants」部門でリーダーに選出

まとめ:Amazon Qがもたらす業務改革

Amazon Qは、社内の情報活用や業務効率化を大きく変えるAIアシスタントです。

👤おすすめ対象

  • 定型業務に時間を取られている方
  • データ分析やレポート作成を自動化したい方
  • コーディング作業を効率化したい開発者
  • 社内情報をすぐに見つけたい担当者

⭕メリット

  1. 時間の節約:作業時間を大幅に短縮
  2. 誰でも使える:自然な言葉で操作可能
  3. 安全性:企業データをAWS基盤でしっかり保護

⚠️注意点

  • AIの回答は常に正確とは限りません
  • 重要な判断は人間が最終確認を行いましょう
  • 導入前に料金プランと連携範囲を確認することが大切です

Amazon Qは今後も進化を続け、企業の働き方を変革していく大きな可能性を秘めています。


※本記事は2025年10月時点の情報に基づいています。Amazon Qは継続的にアップデートされています。最新の機能や料金については、AWS公式サイトおよび公式ドキュメントをご確認ください。

この記事をシェアする

  • 記事をnoteでシェアnote
  • 記事をメールでシェアメール
  • 記事のリンクをコピーリンクをコピー

関連記事