【導入事例】京都市観光協会×エクスポート・ジャパン|多言語サイト運用を支える「さくらのクラウド」構築・運用パック

更新日:2025-11-21 公開日:2025-11-21 by E.M

目次

【導入事例】京都市観光協会×エクスポート・ジャパンキービジュアル

京都市の観光振興や情報発信等を担う公益社団法人京都市観光協会は、観光情報を正確かつ持続的に発信するため、訪日観光客向けウェブサイト「Kyoto Travel」の全面リニューアルに踏み切りました。制作は、多言語Webサイト制作やインバウンドマーケティングに強みを持つエクスポート・ジャパンが担当し、基盤には「さくらのクラウド(ガバメントクラウド)」を採用。フューチャースピリッツは短期間での環境構築から公開、そして公開後の運用改善までを伴走支援しました。

今回の事例における3つのポイント
  1. 約3週間で公開まで伴走
    超短納期でのサイト公開を実現。高速な制作と公開後の機能拡張に対応できる基盤を構築
  2. 情報を迷わせない導線設計
    観光客のニーズに合わせ、コンテンツを整理。必要な情報へすぐに辿り着けるシンプルな導線を構築
  3. 効果を最大化するデータ分析環境
    公開後すぐにPDCAを回せるよう、効果測定と検証の環境を標準装備し、サイトの成果向上に貢献


今回は、京都市観光協会の大西 藍様と、制作パートナーであるエクスポート・ジャパンの小西 智美様・下松 真之様に、公式サイトリニューアルの背景や狙い、設計から公開後の運用までを伺いました。

分散した観光情報を束ねて迷わず届く公式サイトへ

京都市観光協会の役割と、今回のサイトリニューアルで目指したことを教えてください

大西(京都市観光協会)「私たちは調査・研究・情報発信・文化振興を軸に持続可能な観光を推進する公的団体です。オーバーツーリズムに向き合い、時間・場所・季節の分散や “京都観光モラル” の普及も重点に据えています。サイトリニューアルでは、誰にとっても使いやすく、運用しやすい公式サイトを目指しました。10年以上続く「Kyoto Travel」は、コロナ禍以降の外国人観光客の急増に伴う正確でタイムリーな情報提供の必要性を踏まえ、構成を根本から見直すタイミングでもありました。」

既存サイトの課題はどこにありましたか?

大西「本番とCMSが別サーバーで更新フローが複雑でした。多言語の運用負荷も高く、将来拡張を考えると基盤から見直す必要がありました。情報設計では主要導線の明確化を重視し、観光テーマや季節イベントを軸に関連情報を1ページ内で回遊できるよう再設計しました。訪日客が“迷わない情報の束ね方”を目標にしています。」

堅牢性、運用力、提供スピードが決め手となった「さくらのクラウド」構築・運用パック

クラウド基盤を利用することになった経緯と、「さくらのクラウド」運用・構築パックを採用した決め手は何でしたか?

大西「公的機関として最も重要視したのは、政府クラウド相当の堅牢性と、国内データセンターという安心感です。また、今後サイトを拡大していく際の将来の拡張性に対して、費用感が現実的だったことも決め手になりました。従来の契約と大きく乖離することなく、運用に必要な24時間365日のサポートや日次バックアップなどの要件がすべて揃っていたことも、安心して移行を決断できた大きな理由です。」

小西(エクスポート・ジャパン)「フューチャースピリッツからの提案内容は、24時間365日の監視・運用、日次バックアップ、可用性設計までを含む明快なパッケージで、非常に魅力的でした。短納期で移行する現場の視点でも選びやすく、ガバメントクラウド認定やコスト面、拡張性といった観点から総合的に判断し、採用に至りました。」


公益社団法人 京都市観光協会の大西 藍様<公益社団法人 京都市観光協会の大西 藍様>

非常に短いスケジュールだったと伺いました。どう実現しましたか?

大西「スケジュール面では、当初予定の公開日まで約3週間というタイミングでの相談となり、本番環境の立ち上げから移行まで進めるには1週間以内にサーバーを構築いただく必要がありましたが、迅速に対応していただき、本当に1週間で立ち上げていただいたことは、大変心強く感じました。」

小西「サーバー管理機能としてPleskを提供いただいたことで、テストサイト構築が容易に行えました。公開当日のメンテナンスモード切替もスムーズで、運用面でも非常に便利でした。」

CMSリニューアルで多言語運用と回遊性を支える編集基盤へ

CMSのリニューアルではWordPressを採用したそうですが、その狙いは何でしょうか?

小西「管理画面の直感的な操作性と、多言語運用のしやすさを重視しました。タグ設計とテンプレートの整合性をとり、担当者が迷わず更新できるフローを構築しています。」

Kyoto Travelウェブページ

編集体験はどう変わりましたか?

下松(エクスポート・ジャパン)「編集時の操作が軽く、プレビューも素早い。更新作業のストレスが減り、現場の作業がスムーズに進んでいます。」

Plesk(本番同等のテスト環境)の活用で効率化できた点はどこでしょうか?

小西「テスト環境を本番と同じサーバーに設置できる点と、権限やSSL、メンテナンスモードの切り替えが管理画面から一気通貫で扱える点です。運用の段取りが見通しやすくなりました。」

現場が実感したリニューアルの効果と運用メリット

クラウド活用で効果を最も感じている部分はどこでしょうか?

大西「クラウドに移行して最も感じているメリットは、”何事もなく高速に動作し、問題なく運用できているという安心感”です。常にサイトの安定性が維持されていることが重要だと感じています。」

小西「更新の速さを維持しつつ編集から公開の負荷が低減したこと。迷わない導線で回遊性が向上したこと。日本語サイトのイベント情報の同期が実現でき、イベント情報が多言語化できたことが大きいです。」

現場からの反応はいかがですか?

大西「観光案内所のスタッフから“使いやすくなった”という声が届いています。表示速度と構成の改善により、日々の案内がスムーズになりました。」

AI時代に合わせた公式情報の出し方で海外アクセスに強いサイトに育てていきたい

今後の運用や発信で重視される取り組みをお聞かせください

大西「今後はAIに参照されやすい“一次情報”の整備がより重要になると考えています。誤情報の拡散を防ぐ観点からも、公式見解を明快に示せる情報発信設計を行っていきたいと考えています。京都にはたくさんの観光事業者がおられ、まだまだデジタル活用ができていないところもあり、業界全体のデジタル格差の解消にも寄与していきたいと思います。」

小西「弊社は多言語サイトの制作に特化しており、今回は人による翻訳と自動翻訳(機械翻訳)を組み合わせてサイト構築を行いました。AIによる翻訳精度の向上を日々感じており、今後はAIを活用した多言語サイト制作や、編集・翻訳ワークフローの最適化にも知見をためていきたいと考えています。」

エクスポート・ジャパン株式会社 小西智美様と当プロジェクトメンバー<エクスポート・ジャパン株式会社 小西智美様と当プロジェクトメンバー>

本プロジェクトを通じて、フューチャースピリッツへの要望はありますか?

小西「短納期の中でインフラ構築から調整まで迅速に並走いただきました。また中国サーバーサービスなど、相談できる選択肢が広く、技術面・運用面の両方で柔軟に対応いただける点が心強いですね。」

大西「関係各所の尽力で無事に公開できました。サイトを通じて京都の魅力を正しく、深く伝えるための発信をこれからも磨いていきますので、安定したサーバー環境とサポートを引き続き提供いただきたいです。」

京都市観光協会ロゴ 会社名 公益社団法人 京都市観光協会(DMO KYOTO)
設立 1960年5月1日(昭和35年)
従業員数 94名
所在地 〒604-0924 京都市中京区河原町通二条下ル一之船入町384番地 ヤサカ河原町ビル8階
事業内容 京都の観光振興(調査研究、情報発信・観光案内、受入環境整備、文化資源活用)を行政等と連携して推進
URL https://www.kyokanko.or.jp/


エクスポート・ジャパンロゴ 会社名 エクスポート・ジャパン株式会社
設立 2000年4月
従業員数 52名
所在地 大阪本社 〒541-0041 大阪市中央区北浜3-6-22 淀屋橋ステーションワン11F/東京支社 〒102-0093 東京都千代田区平河町1-6-4 H¹O平河町7F
事業内容 多言語Web制作・運用、翻訳/ライティング、japan-guide.com等を活用したインバウンド支援、Accessible Code®によるアクセシビリティ支援
URL https://www.export-japan.co.jp/

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