【用語解説】サードパーティCookieとは?廃止の理由と対策をわかりやすく解説
更新日:2026-07-02 公開日:2026-03-09 by Bitmoss
サードパーティCookie(3rd Party Cookie)とは、ユーザーが閲覧しているWebサイトとは異なるドメインによって発行されるCookieで、長年Web上のユーザー行動を追跡し、広告の最適化や効果測定に活用されてきました。
プライバシー保護の観点から、AppleのSafariやMozillaのFirefoxではすでにサポートが制限されている一方、Chromeでは2025年4月に新たな選択プロンプトを導入せず、ユーザーが設定で利用可否を管理する現行の仕組みを維持する方針が発表され、一律ブロックではない状態が続いています。
本記事では、サードパーティCookie廃止の背景・理由や現在の状況、企業やマーケターが取るべき対応についてわかりやすく解説します。
サードパーティCookieとは
Cookieは、ユーザーがWebサイトを訪れた際にブラウザへ保存される小さなデータです。主にログイン状態の維持やユーザー行動の記録などに利用されます。
Cookieは大きく次の2種類に分けられます。
| Cookieの種類 | 概要 |
|---|---|
| ファーストパーティCookie | 閲覧しているWebサイト自身のドメインから発行されるCookie |
| サードパーティCookie | 広告ネットワークなど、別ドメインから発行されるCookie |
サードパーティCookieは複数サイトを横断してユーザー行動を把握できるため、リターゲティング広告や広告効果測定などに広く利用されてきました。
サードパーティCookie廃止の背景・理由
サードパーティCookieの見直しが進んでいる背景には、ユーザーのプライバシー保護意識の高まりがあります。
主な理由は次の通りです。
- ユーザー行動の過度な追跡への懸念
- 個人情報保護規制の強化(GDPRなど)
- ブラウザによるトラッキング制限
- ユーザー自身によるデータ管理の必要性
この流れを受けて、多くのブラウザがサードパーティCookieの制限やブロックを進めています。
Chromeの方針変更と現在の状況
Googleはこれまで、ChromeにおけるサードパーティCookieの段階的な廃止を計画してきました。しかし、広告業界や規制当局との協議を経て、その方針は見直されています。
Chromeにおけるサードパーティ Cookie方針の変遷
- 2020年:ChromeでサードパーティCookie廃止方針を発表
- 2022〜2024年:廃止時期を複数回延期
- 2025年4月:新たな選択プロンプトは導入せず、既存の設定でユーザーが利用可否を管理する方針を発表
- 2025年10月:Googleが「Privacy Sandbox」構想の終了を発表し、主要APIの提供を終了
方針変更の背景には、広告主やWebサイト運営者への影響の大きさに加え、プライバシー保護と利便性のバランスをどのように実現するかという課題があります。
さらに2025年10月には、Cookie代替として開発が進められてきた「Privacy Sandbox」構想の終了も発表されており(詳細は後述)、約6年にわたるCookieレス広告技術への取り組みは事実上収束した形です。
その結果、サードパーティCookieは当面Chromeで利用できる状態が維持される見通しですが、これは「対応不要」を意味するものではありません。企業には引き続き、Cookieへの依存を減らし、自社で管理できるファーストパーティデータの活用へ移行することが求められています。
ブラウザごとのサードパーティCookie対応
| ブラウザ | 対応状況 |
|---|---|
| Safari | ITP(Intelligent Tracking Prevention)によりブロック |
| Firefox | サードパーティCookieをブロック |
| Chrome | ブラウザ設定でユーザーが利用可否を管理可能(2025年4月の方針を維持) |
今後のWebサイト・広告への影響
サードパーティCookieに依存した広告や分析手法は、今後大きく変化していくと考えられます。
特に影響を受けるのは次の領域です。
- リターゲティング広告
- クロスサイトトラッキング
- 広告効果測定
- ユーザー行動分析
そのため、企業はCookieに依存しないマーケティング手法への移行を進める必要があります。
企業が取り組むべき対策
サードパーティCookieの将来的な制限を踏まえ、企業は次の取り組みを検討する必要があります。
ファーストパーティデータの活用
自社サイトやサービスを通じて取得したファーストパーティデータの活用が、対応の中心となります。会員情報や問い合わせ履歴、購買履歴などをCRMやマーケティングオートメーション(MA)と連携し、ユーザーとの継続的な関係構築に活かす取り組みが増えています。
サーバーサイドトラッキングの導入
ブラウザ側の制限を受けにくいサーバーサイドトラッキングや、広告媒体へ必要な情報を安全に連携するConversion APIの導入も、広告ブロッカーなどの影響を受けにくくする有効な手段です。
プライバシー保護の強化
Cookieの利用について利用者の同意を取得・管理するCMP(Consent Management Platform)を導入し、個人情報保護法やGDPRなどの法令に対応する企業も増えています。ユーザーへの透明性確保やデータ最小化といった取り組みも重要です。
特定の代替APIに依存しない設計にする
Googleは2019年から、Cookieに代わる広告技術としてPrivacy Sandboxの開発を進め、次のようなAPIを提供していました。
| 技術名 | 概要 | 現状 |
|---|---|---|
| Topics API | ユーザーの興味関心を推定して広告ターゲティング | 終了・段階的廃止 |
| Protected Audience API | 匿名化されたリマーケティング広告 | 終了・段階的廃止 |
| Attribution Reporting API | 広告コンバージョンの匿名測定 | 終了・段階的廃止 |
Googleは2025年10月にPrivacy Sandbox構想の終了を発表し、Topics APIやProtected Audience API、Attribution Reporting APIなど主要な広告関連APIの終了・段階的廃止を進めています。採用率の低さや、他ブラウザベンダーからの支持が得られなかったことなどが要因とされています。
特定の代替APIの登場を待つのではなく、ファーストパーティデータの活用やサーバーサイドの仕組みを中心に据え、Cookieに依存しないマーケティング基盤を今のうちに整えておくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
サードパーティCookieとは何ですか?
ユーザーが閲覧しているサイトとは別のドメインが発行するCookieで、広告やユーザー追跡に利用されることが多いCookieです。
サードパーティCookieは廃止されるのですか?
多くのブラウザではすでに制限されています。Chromeでは一律廃止ではなく、ユーザーが設定で利用可否を管理できる方針が2025年4月以降維持されています。また、Cookieの代替として開発されていたPrivacy Sandboxも2025年10月に構想が終了しており、当面はサードパーティCookie自体がChromeに残る見込みです。
サードパーティCookieがなくなると広告はどうなりますか?
リターゲティング広告などに影響が出る可能性があります。そのため、ファーストパーティデータの活用や、Cookieに依存しない新しい広告技術・測定手法への移行が進んでいます。
ファーストパーティCookieも使えなくなるのですか?
いいえ、現在議論されているのは主にサードパーティCookieです。
ファーストパーティCookieはログイン状態の維持やカート情報の保存など、Webサイトの基本機能を支えるため、今後も広く利用される見込みです。
Google Analytics 4(GA4)は影響を受けますか?
GA4は主にファーストパーティCookieを利用しているため、サードパーティCookie廃止による影響は限定的です。ただし、広告計測やリマーケティングでは設定の見直しが必要になる場合があります。
まとめ
サードパーティCookieは長年Web広告の基盤となってきましたが、プライバシー保護の流れの中で大きな転換点を迎えています。
企業には、Cookieに依存したマーケティングから、ファーストパーティデータやプライバシーに配慮したデータ活用への転換が求められています。
企業のWeb担当者やマーケティング担当者は、ファーストパーティデータの活用や新しい広告技術への理解を深めながら、柔軟に対応していくことが重要です。