【用語解説】DR(ディザスタリカバリ)とは?災害発生時の業務継続を支える仕組みを解説

更新日:2025-12-15 公開日:2025-01-23 by アツシバ

目次

デジタル化が進む現代の企業や組織にとって、システム障害や災害は避けて通れないリスクです。業務の中断を最小限に抑え、迅速に事業を再開するために重要なのがディザスタリカバリ(Disaster Recovery)です。本記事では、ディザスタリカバリの基本概念から運用方法までを、初心者にもわかりやすく解説します。

ディザスタリカバリとは

ディザスタリカバリ(Disaster Recovery、略称:DR)とは、予期せぬ災害やシステム障害が発生した際に、重要なシステムやデータを復旧し、業務を迅速に再開するための計画やプロセスを指します。企業や組織が非常時にも事業を継続できるようにするためには、適切なバックアップ体制と復旧手順の整備が不可欠です。

ディザスタリカバリの重要性

システム障害やデータ損失が発生した場合、業務の停止や情報の消失は企業にとって深刻な影響をもたらします。企業の信頼性低下や法的リスク、さらには顧客や取引先との関係悪化につながる可能性もあります。そのため、ディザスタリカバリを事前に整備しておくことは、企業の信頼性と競争力を維持するうえで欠かせない取り組みといえます。

ディザスタリカバリで必要な3つの指標

ディザスタリカバリを実践するうえで重要となるのが、以下の3つの指標です。これらは、障害発生時にどの程度の復旧を目指すのかを明確にするための基準となります。

RTO(復旧時間目標)

RTO(Recovery Time Objective)とは、システム障害が発生してから復旧作業を完了させるまでの目標時間を示す指標です。秒単位から日単位まで幅広く設定され、事業の特性や影響度によって異なります。RTOを明確にすることで、必要なリソースや対応プロセスを事前に計画でき、災害時の迅速な復旧につながります。

RPO(目標復旧時点)

RPO(Recovery Point Objective)は、どの時点までのデータを復旧対象とするかを定める指標です。災害発生時に許容できるデータ損失量を時間で表し、バックアップの取得頻度やデータ保護方針を決める重要な基準となります。

RLO(目標復旧レベル)

RLO(Recovery Level Objective)は、復旧後にシステムがどのレベルまで機能を回復している必要があるかを示す指標です。単にシステムが起動するだけでなく、業務に支障が出ない状態まで回復していることが求められます。

ディザスタリカバリにおけるRPO、RTO、RLOの説明図

なお、RTOやRPOの数値を小さく設定するほど、ダウンタイムやデータ損失は抑えられますが、その分、システム構成や運用は複雑になり、コストも増加する傾向があります。自社の事業特性に応じたバランス設計が重要です。

ディザスタリカバリの運用方法

ディザスタリカバリは、単なるバックアップとは異なり、システム全体を迅速に復旧させることが求められます。代表的な3つの運用方式について解説します。

ホットスタンバイ

ホットスタンバイは、バックアップシステムを常時稼働・同期させておき、障害発生時に即座に切り替える運用方式です。ほぼリアルタイムでサービスを継続できるため、業務停止が許されないミッションクリティカルなシステムに適しています。

ウォームスタンバイ

ウォームスタンバイは、通常時は低負荷で稼働し、障害発生時にフル稼働へ切り替える方式です。コストと復旧時間のバランスが取れた運用であり、一定の可用性を確保したい企業に向いています。

コールドスタンバイ

コールドスタンバイは、バックアップシステムを通常時は停止させておき、障害発生後に復旧作業を行う方式です。コストを抑えられる一方で、復旧までに時間がかかるため、業務停止が許容されるシステム向けの運用方法です。

まとめ

ディザスタリカバリは、企業や組織が災害やシステム障害に直面した際にも、迅速に業務を再開し、事業継続を実現するための重要な取り組みです。RTO・RPO・RLOといった指標を明確に設定し、それに基づいた計画を策定・運用することで、効率的な復旧が可能になります。定期的な見直しやテストを行い、非常時にも強いシステム基盤を構築していきましょう。

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