攻撃遮断くんとFutureWAFの違いを徹底比較!WAF選びのポイントとは?

更新日:2025-12-04 公開日:2024-12-12 by はる

目次

サイバー攻撃の増加に伴い、Webアプリケーションを守るセキュリティ対策は、企業にとって欠かせないものとなっています。WAF(Web Application Firewall)は、悪意のある攻撃からWebアプリケーションを守るための重要なツールです。本記事では、攻撃遮断くんとFutureWAF、それぞれの特徴や利点を比較し、選び方のポイントをご紹介します。

WAFの重要性とは?

WAFは現代のインターネット社会で欠かせないセキュリティ対策の一つです。サイバー攻撃からWebアプリケーションを防御することで、情報漏えいやサイト改ざんなどのリスクを軽減し、オンラインビジネスの安全性を強化します。

WAFとは?

WAFは、Webアプリケーションを標的とした攻撃から保護するセキュリティツールです。たとえば代表的な攻撃手法として、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)があります。通信内容を解析し、不正なアクセスを遮断することで、情報漏えいやサイト改ざんといったリスクを低減します。また、アプリケーション層(L7層/レイヤー7)※でDDoS攻撃やボットアクセスを遮断する機能を備えており、オンラインビジネスの安全性向上に大きく貢献します。

サイバー攻撃の増加とWebアプリケーション保護の必要性

近年、Webアプリケーションを対象としたサイバー攻撃の頻度と深刻度が増加しています。攻撃者は、脆弱性を突いて顧客データや財務情報を狙うケースが多く、企業の信用や事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらの脅威に対抗するには、より高度なセキュリティ対策が求められます。

たとえば代表的な攻撃手法として、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングがあります。これらの攻撃では、攻撃者が悪意のあるコードを利用して、企業のデータベースやWebページに侵入し、不正アクセスを行います。攻撃が成功すると、大量のデータ漏えいやシステム障害が発生し、企業の信用失墜や経済的損失を引き起こす可能性があります。

基本的なセキュリティ対策や内部対応だけでは、こうした攻撃に対処するのは困難です。Webアプリケーションをサイバー攻撃から守るためには、より強固で専門的なセキュリティ対策が不可欠です。

その一つが、WAFの導入です。WAFは、Webアプリケーションを狙った不正な通信を検知し遮断する高度なセキュリティツールで、企業が迅速かつ効果的にサイバー攻撃を防ぎ、データの安全性を確保する手助けをします。このような専門的なセキュリティサービスを導入することで、重大なリスクを未然に回避することが可能になります。

攻撃遮断くんの特長と活用

攻撃遮断くんは、柔軟性と高度なセキュリティ対策を兼ね備えたクラウド型WAFです。

主な機能とセキュリティの特長

攻撃遮断くんは、多様なサイバー攻撃からWebアプリケーションを保護する包括的な防御機能を提供します。このサービスは、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションなどの代表的な脅威をカバーするだけではなく、業界で唯一のサイバー保険を付帯しており、その信頼性の高さから多くの企業に採用されています。

攻撃遮断くんの特長は以下の3つです。

1. 多様なWebシステムに対応可能

  • サーバー環境に依存せず、クラウド型提供形態により低価格で導入可能。
  • 初期費用を抑えつつ、直感的なUIで簡単に設定・管理が可能。

2. 日本語対応の手厚いサポート

  • 国産サービスならではの充実した日本語サポート。
  • 管理画面で攻撃状況を可視化し、導入後も安心して利用可能。

3. 専門技術者が不要

  • 最新の脅威情報を自動で反映し、専門的な知識がなくても高いセキュリティを維持可能。

さらに、攻撃遮断くんはWeb、DDoS、サーバー向けに3つのタイプで提供されており、企業の課題や状況に応じて最適な導入形式を選択することが可能です。

各タイプ別の特徴

タイプ WEBセキュリティタイプ DDosセキュリティタイプ サーバーセキュリティタイプ
導入方法 DNSの切り替え DNSの切り替え エージェントインストール
価格(税抜)/月 10,000円~ 15,000円~ 40,000円
ネットワーク構成の変更 不要 不要 不要
管理画面 あり あり あり
シグネチャ
カスタマイズ
対応
コメント付きレポート オプション オプション 対応
サイバー保険付帯 条件あり 条件あり あり
DDoS攻撃対応 可能
特徴 基本的なWebサイト
セキュリティ対策
DDoS攻撃対策を追加 サーバー全体のセキュリティ対策

※トラフィック量で料金が変わります。

各タイプ別特長の詳細や対応する主要なサイバー攻撃内容などは、「攻撃遮断くん タイプ別比較表」をご参照ください。

FutureWAFの特長と活用

FutureWAFは、サーバーインストール型でコストパフォーマンスに優れたWAFです。フューチャーウェブ プロ/VPSをご利用のお客様は、保守・運用に手間を掛けることなく、セキュアなサーバー環境を安価にご利用できます。

主な機能とセキュリティの特長

FutureWAFは、オープンソースのOSSEC+を利用することでコストを抑えたWAFサービスです。ブルートフォースアタックやSQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなどのWebアプリケーションを狙ったサイバー攻撃を効果的にブロックし、企業の重要なデータやサービスを迅速かつ安全に保護します。また、柔軟な料金プランと手厚いサポート体制により、企業規模を問わず導入・活用が可能です。

FutureWAFの特長は以下の3つです。

1. ネットワーク構成の変更不要
  • エージェントをインストールするだけで導入可能。
  • サーバー停止やネットワーク変更不要。
2. 手軽な運用
  • 保守・運用作業はサービス提供者が対応するため、専門技術者が不要。
  • 中小企業にも適した簡単操作で高いセキュリティを実現。
3. 攻撃状況の可視化
  • 遮断アラートをメールで通知し、攻撃状況をタイムリーに把握可能。

FutureWAFと攻撃遮断くんの比較

特徴 攻撃遮断くん FutureWAF
提供形態 クラウド型、サーバーインストール型 サーバーインストール型
対応範囲 多様な攻撃、DDoS攻撃も対応 基本的なサイバー攻撃に対応
コスト ・Web/DDosタイプ:ドメイン数に応じた料金
・サーバータイプ:サーバー台数に応じた料金(ドメイン・サブドメイン数にかかわらず)
サーバー台数に応じた料金
(ドメイン・サブドメイン数にかかわらず)
適した
企業規模
大規模トラフィックや複雑な要件を持つ企業 中小企業、簡単なセキュリティ対策を求める企業

FutureWAFの導入時の注意点

  • 契約条件:FutureWAFは単独での契約ができず、FutureWeb ProまたはFutureWeb VPSのオプション機能として提供されます。
  • 機能制限:攻撃状況をリアルタイムで可視化するコントロールパネルが付属しておらず、攻撃遮断くんに比べて対応可能な攻撃シグネチャの数が少ない点に注意が必要です。
  • DDoS攻撃への対応:FutureWAFはDDoS攻撃への対応機能が含まれていません。近年、DDoS攻撃による回線ダウンのリスクが高まっていることを考慮すると、大規模なトラフィックを伴うサービスでは、攻撃遮断くんの「DDoSセキュリティタイプ」の導入を検討することをおすすめします。

WAFの選び方とポイント

WAFは、企業にとって欠かせないセキュリティ対策の一つです。自社のニーズに最も適したWAFを選定するためのポイントを以下にまとめました。

1.クラウド型とオンプレミス型(サーバーインストール型)の理解
各タイプのメリットとデメリットを把握し、自社の規模やリソースに応じて適切な選択を行うことが重要です。クラウド型とはインターネット上のサーバーを利用してソフトウェアを利用する形態を指します。利用者はインターネット環境さえあればどこでも利用できます。オンプレミス型とは異なりサーバーなどの設備やその保守の必要がないため、比較的低コストで利用できます。オンプレミス型とは自社で用意したサーバーへソフトウェアをインストールし、利用する形態を指します。クラウド型よりも社外へ情報が漏れる可能性が低く、既存ソフトウェアとのサーバー上で統合しやすいことも特長です。
2.自社のセキュリティ要件と予算
必要な防御レベルと予算に適したモデルを選びましょう。

クラウド型とオンプレミス型(サーバーインストール型)の比較

クラウド型WAFの特徴
  • 初期費用を抑えられ、専用ハードウェアが不要。
  • リソースの迅速な調整が可能で、コスト管理が容易。
  • 導入・操作が簡単なため、迅速なセキュリティ対策に適している。
オンプレミス型(サーバーインストール型)WAFの特徴
  • 自社内でセキュリティを運用管理でき、細かいポリシー設定が可能。
  • 通信速度の向上や独自データ管理が可能。
  • 高度なカスタマイズ性が求められる場合に適している。
<オンプレミス型(サーバーインストール型)の2種類>
  • アプライアンス型
    専用機器をWebサーバー前に設置。大規模運用でコストメリットが大きい。
  •  ホスト型(ソフトウェア型)
    既存サーバーにインストールして利用。導入が簡単でコストを抑えやすいが、大規模運用には不向き。
    FutureWAFが該当する。

WAFの選択基準や選び方

WAFを導入する際の3つのポイントを以下にまとめます。

  1. 導入・運用費用
    導入形態によって費用が異なるため、自社の運用規模に基づいて慎重に検討
  2. サポート体制
    トラブル時の対応速度やサポート内容を確認。稼働時間や緊急連絡手段もチェックが必要
  3. 機能の適合性
    必要な防御レベルに合った機能を持つ製品を選定。過剰な防御で正常なアクセスを遮断しないよう注意

攻撃遮断くんとFutureWAFの選び方:それぞれに適したユーザー像

セキュリティ対策は企業の規模や特性に応じて異なるため、適切なWAFの選択が重要です。それぞれのWAFに適したユーザー像について比較しました。

項目 攻撃遮断くん FutureWAF
特長 多様な攻撃に対応し、大規模トラフィックの処理に強い。
高度なセキュリティ対策が必要な企業に最適。
コストパフォーマンスが高く、管理が容易。
ドメインやサブドメインの増加にも対応可能。
導入条件 特に制限なし。 FutureWeb ProやFutureWeb VPSのオプションとしてのみ利用可能。
注意点 サーバー台数が多い場合、コストが増大する可能性があるため要確認。 DDoS攻撃には対応していないため、大規模攻撃対策が必要な場合は別途検討が必要。
攻撃状況のリアルタイム可視化機能がないため、詳細な分析を行いたい企業には不向き。
主な
ユーザー像
大規模ECサイトや金融業界など、大量アクセスを処理する必要がある企業。
システム管理リソースが限られている中小企業。
低予算で基本的なセキュリティ対策を求める中小企業。
サーバー管理の負担を軽減したい企業。
適合規模 中規模から大規模の企業に最適。 小規模から中規模の企業に最適。
ただし、大規模トラフィックや複雑なセキュリティ要件には非適合。

まとめ

「攻撃遮断くん」は高度なセキュリティ対策や大規模なトラフィック処理が必要な企業に適しており、複雑な要件に柔軟に対応できるのが特長です。

一方で、「FutureWAF」はコスト効率を重視する中小規模の企業や、管理の負荷を抑えたい企業に最適です。自社の規模やセキュリティ案件に応じて、最適なWAFを選びましょう。

関連サービス
攻撃遮断くん
FutureWAF

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