データ消失対策の決定版!DR・BCP・バックアップを徹底解説
更新日:2025-07-22 公開日:2025-07-22 by アツシバ
企業にとって「データ」は血液のような存在です。業務の進行、顧客対応、経営判断——そのすべてにデータが関わっています。そんな中で、「突然データが消失したらどうするか?」という問いに、自信を持って答えられる企業はまだ多くありません。
本記事では、データ消失リスクの主な原因と、それに対するケース別の効果的な対策(DR・BCP・バックアップ)を解説します。情シス担当や経営層の方が、実務にすぐ活かせるよう、具体的なポイントを押さえました。
DRとBCPの違い
DR(Disaster Recovery:ディザスタリカバリ)とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は混同されやすい用語ですが、それぞれ役割が異なります。
DR
災害やシステム障害によってITサービスが停止した場合に、データやシステムを復旧するための技術的な対策です。
BCP
災害時でも業務を止めずに続けるための全社的な計画で、人員体制や代替手段の準備などを含みます。
この記事では、この違いを踏まえたうえで、それぞれのリスクに応じた対策をご紹介します。
データ消失リスクとは?主な3つの原因
まずは、データが失われる代表的な原因を確認しましょう。
- ヒューマンエラー(誤操作・設定ミスなど)
ファイルの誤削除、操作ミス、設定ミスは、最も頻発するリスクのひとつです。
例:管理画面上での誤操作により重要ファイルを削除
- ハードウェア障害・システム障害
オンプレミス環境ではHDDの故障やサーバのトラブル、クラウド環境でも設定不備による停止などが該当します。
- サイバー攻撃(ランサムウェアを含むマルウェア感染・標的型攻撃など)
近年は、ランサムウェアによるデータの暗号化や消失被害が増えています。
ケース別で解説!データ消失を防ぐ対策例
以下に、上記のリスクに対する現実的な対策をケースごとに整理します。
【ケース1】誤操作・ヒューマンエラーへの対策
☑️バージョン管理と世代バックアップ
- 誤ってデータを上書き・削除しても、数世代前に遡れる仕組みがあれば復元可能です。
- クラウドストレージやNAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続型の外部ストレージ)でのバージョン管理機能を備えた環境の活用が有効です。
☑️操作権限の細分化
- 特権ユーザー以外には削除権限を与えないなど、必要最小限のアクセス権限の運用を徹底しましょう。
【ケース2】ハードウェア障害や自然災害への対策
☑️DR(ディザスタリカバリ)の仕組みを導入
- 災害や機器障害時でも業務を止めないよう、遠隔地にデータをリアルタイムで同期する仕組み(レプリケーション)を取り入れましょう
- AWSでは、災害復旧の設計パターンとして「ウォームスタンバイ構成」「マルチサイト構成」など複数のアプローチが提唱されています。
☑️定期的なBCP訓練と手順書の整備
- いざという時に復旧手順が現場で共有されていないと、せっかくDR環境を整えても意味がありません。
- 情報システム部門だけでなく、現場も巻き込んだ定期的な訓練が必要です。
【ケース3】ランサムウェアを含むサイバー攻撃への対策
☑️オフラインバックアップ(エアギャップ)
- ネットワークから遮断されたバックアップを定期的に取得することで、攻撃の影響を受けない保険となります。
- バックアップは定期的に実施し、保存先のセキュリティも十分に確保する必要があります。
☑️バックアップの多重化
- 同一システム内ではなく、異なる場所・異なるサービスにバックアップを保存。
例:オンプレミスとクラウドの併用、AWSでの異なるリージョン間でバックアップを行う
☑️バックアップデータの暗号化と改ざん検知
- 万一バックアップに不正アクセスされても、暗号化しておけばデータの内容は守られます。
- さらに、変更履歴の記録や改ざん検知機能があるとより安心です。
まとめ:対策は「技術」だけでなく「仕組み」と「習慣」
データ消失リスクは、決して他人事ではありません。対策があって初めて“業務継続性”が守られます。
ポイントは、
- 単発のバックアップではなく、仕組みとしての継続性
- 技術に頼るだけでなく、組織としての運用ルール
を整備することです。
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