【用語解説】IaaS・PaaS・SaaSとは?クラウド導入前に知っておきたい基礎知識
更新日:2025-12-15 公開日:2025-02-06 by アツシバ
現代のビジネス環境において、企業がクラウドサービスを利用することは、競争力を高めるために必要不可欠です。自社のニーズに最適なクラウドサービスを導入することで、運用コストの削減や業務効率化・生産性向上を実現できます。本記事では、代表的なクラウドサービスモデルであるIaaS・PaaS・SaaSについて、それぞれの特徴や違いを初心者にもわかりやすく解説します。
IaaS、PaaS、SaaSとは
クラウドサービスにはさまざまな選択肢がありますが、その中でも代表的なサービスモデルがIaaS、PaaS、SaaSです。これらは、提供されるリソースの範囲や利用者が担う管理責任が大きく異なります。企業の目的やIT体制に応じて、最適なサービスモデルを選択することが重要です。
IaaSとは
IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバー・ストレージ・ネットワークなど、システムの基盤となるインフラをクラウド上で提供するサービスです。企業は物理的なハードウェアを保有する必要がなく、インターネット経由で必要なリソースを必要な分だけ利用できます。これにより、初期投資やデータセンター運用コストを削減しつつ、柔軟なインフラ構築が可能になります。
PaaSとは
PaaS(Platform as a Service)は、アプリケーションの開発・実行・運用に必要なプラットフォームをクラウド上で提供するサービスです。開発環境、ミドルウェア、データベース、サーバーなどがあらかじめ用意されているため、開発者はインフラ管理の負担を減らし、アプリケーション開発に集中できます。
SaaSとは
SaaS(Software as a Service)は、完成されたアプリケーションをインターネット経由で利用できるクラウドサービスです。ユーザーはインストールやアップデート、保守作業を行う必要がなく、Webブラウザからすぐに利用できます。多くの場合、サブスクリプション形式で提供され、導入・運用の手軽さが特長です。
IaaS、PaaS、SaaSの違い
IaaS、PaaS、SaaSは、自由度・管理範囲・運用負担において明確な違いがあります。

IaaSは最も自由度の高いインフラ環境を提供し、PaaSは開発効率を重視したプラットフォームを、SaaSは管理負担が最小限のアプリケーションを提供します。それぞれのモデルには、以下のような代表的なサービスがあります。
| サービスモデル | 代表的なサービス例 |
| IaaS | Amazon Elastic Compute Cloud |
| Azure Virtual Machines | |
| Google Compute Engine | |
| PaaS | Google App Engine |
| AWS Lambda | |
| Microsoft Azure App Service | |
| SaaS | Microsoft 365 |
| Gmail | |
| Zoom |
このように、IaaS・PaaS・SaaSはそれぞれ異なる強みを持っており、自社のIT体制や目的に応じた選択が重要です。
最適なクラウドサービスの選び方
クラウドサービスを選定する際は、自社の業務内容や運用方針に合わせてIaaS・PaaS・SaaSを適切に使い分けることが重要です。
- IaaS:独自のITインフラを構築・管理したい企業に適しています。自由度が高く、カスタマイズ性を重視する場合に有効です。
- PaaS:アプリケーション開発や運用を効率化したい企業に向いています。インフラ管理の負担を減らし、開発スピードを重視する場合に最適です。
- SaaS:すぐに利用できるアプリケーションを導入したい企業に適しています。導入・運用を簡単に行いたい場合に効果的です。
まとめ
IaaS・PaaS・SaaSは、それぞれ異なるニーズに応じたクラウドサービスモデルです。自社の目的や業務内容を明確にしたうえで最適なモデルを選択することで、効率的なIT運用と生産性向上を実現できます。各サービスの特徴を理解し、自社に最適なクラウド活用を進めていきましょう。