Plesk活用ガイド|ファイルマネージャーでWebから簡単ファイル操作

更新日:2025-06-19 公開日:2023-10-19 by アツシバ

目次

futuremedia-52-main

はじめに

Webサイトを公開するためには、まずHTMLファイルやPHPのWebアプリケーションを作成します。その次のステップは、作成したコンテンツをWebサーバーにアップロードする必要があります。一般的には、FTPクライアントなどを使用してコンテンツをWebサーバーにアップロードします。
しかし、Pleskには「ファイルマネージャー」という便利な機能があります。この機能を使用すると、FTPクライアントのダウンロードやインストール、FTP情報の入力といった手順が不要になります。
今回は、このPleskの「ファイルマネージャー」機能を活用してWebサイトを公開する方法を説明します。 その他にもアップロードしたコンテンツの削除や、コンテンツのアクセス権限を指定できるパーミッション設定などの方法も、合わせて説明します。

FTPとは

まず、「FTPって何ですか?」という方もいるかもしれません。FTPは「File Transfer Protocol」の略であり、ファイルを転送するための通信規格です。FTPはPCクライアントとサーバー間でファイルのアップロードやダウンロードを行う際に使用されるプロトコルです。

転送モード

FTPには、アクティブモードとパッシブモードの2つの転送モードがあります。それぞれの転送モードには、FTPプロセスの種類が関連しています。

アクティブモードは、サーバー側からクライアント側にデータ転送用の通信を確立するモードです。つまり、サーバーがクライアントにデータを送信するためにコネクションを確立します。

一方、パッシブモードは逆で、クライアント側からサーバー側にデータ転送用の通信を確立します。つまり、クライアントがサーバーにデータを送信するためのコネクションを確立します。

プロセス

FTPには2つの重要なプロセスがあります。1つは「PI」(Protocol Interpreter)またはコントロールコネクションと呼ばれるもので、ユーザーからの指示や命令をプロトコルに翻訳する機能です。もう1つは「DTP」(Data Transfer Process)またはデータコネクションと呼ばれ、データを送信するための通信経路です。

ポート番号

アクティブモードとパッシブモードでは、コントロールコネクションとデータコネクションのポート番号に違いがあります。それぞれのモードにおけるポート番号を、以下テーブルに整理します。

  アクティブモード パッシブモード
コントロールコネクション 21 21
データコネクション 20 ランダム ※サーバー側で決める


これらのモードとポート番号の組み合わせによって、FTPにおけるデータの転送が行われます。

FTPクライアント

FTPサーバーにファイルをアップロードするためには、FTPクライアントと呼ばれるソフトウェアを使用します。インターネット上には無償のFTPクライアントのソフトウェアがたくさん存在します。例えば、WinSCPやFileZillaなどがあります。

ただし、多くのFTPクライアントはサードパーティのソフトウェアであり、安全性のリスクが存在する場合があります。そのため、Pleskの「ファイルマネージャー」機能を使用すればFTPクライアントを必要とせず、リスクの心配が不要です。

futuremedia-52-01

『FTPクライアント「WinSCP」』

「ファイルマネージャー」機能を使用した、コンテンツのアップロード方法

futuremedia-52-02

1. ユーザー名とパスワードを入力して、Pleskにログインします。

futuremedia-52-03
2. 公開したいWebサイトのメニューから「ファイルマネージャー」を選択します。

futuremedia-52-04
3. ドメインやサブドメイン毎のドキュメントルートを確認します。例えば、ドキュメントルートが「/var/www/vhosts/ドメイン名/httpdocs/」の場合は、「httpdocs」のフォルダにファイルコンテンツをアップロードする必要があります。次に、「アップロード」ボタンを選択します。サブディレクトリを作成したい場合は、「新規」ボタン(青マーク)をクリックして作成できます。

futuremedia-52-05
4. アップロードしたいコンテンツを選択してアップロードします。以下の例では、index.htmlをアップロードしています。
futuremedia-52-06
5. index.htmlのファイルのアップロードが完了しました。ドキュメントルート直下のindex.htmlは通常、Webサイトのホームページとなります。

futuremedia-52-07
6. サイトを確認したい場合は、左側のタブから「ウェブサイトとドメイン」をクリックしてPleskのホーム画面に戻ります。その後、「開く」ボタン(赤マーク)をクリックします。

futuremedia-52-08
7. index.htmlのコンテンツが表示されます。

「ファイルマネージャー」機能を使用したコンテンツのパーミッション設定方法

futuremedia-52-09
1. 変更したいファイルやフォルダのパーミッションを選択して、右のボタンにクリックするとメニューが出ています。その中に「パーミッション変更」を選択します。

futuremedia-52-10
2. 変更したいパーミッションを設定できます。この例では所有者が読み取り(r)と書き込み(w)のパーミッションを付与します。グループとその他のパーミッションは読み取り(r)のみ設定します。こちらのパーミッションは「rw-r--r--」の記号で表示されます。
設定が完了すれば、「適用する」ボタンを押すとパーミッション変更が完了します。
「OK」ボタンをクリックすればファイルマネージャーに戻ります。

futuremedia-52-11
3. ファイルマネージャーにファイルのパーミッションが確認できます。

「ファイルマネージャー」機能を使用した、フォルダディレクトリの作成方法

futuremedia-52-12
1. ファイルマネージャーの「新規」ボタンを選択し、「ディレクトリを作成」をクリックします。

futuremedia-52-13
2. ディレクトリ名を入力します。

futuremedia-52-14
3. 新規フォルダディレクトリを作成しました。この例では「example」というフォルダ名を作成します。

「ファイルマネージャー」機能を使用した、ファイルやディレクトリを削除する方法

futuremedia-52-15
1. 削除したいファイルやディレクトリをそれぞれ左のチェックマークをチェックし、「削除」ボタンをクリックします。
futuremedia-52-16
2. 「はい」を選択します。

futuremedia-52-17
3. 選択したファイルやディレクトリを削除しました。

最後に

Pleskの「ファイルマネージャー」機能を使用すると、FTPクライアントのインストールやFTPログイン情報の入力などは不要で、Webサイトのコンテンツを簡単にアップロードや削除、パーミッション変更することができます。Pleskの使いやすいユーザーインターフェースは、初心者にとって非常に便利です。

この記事をシェアする

  • note
  • メール
  • リンクをコピー

関連記事