【2025年最新】AWS無料プランを徹底解説!これまでの12ヶ月無料枠との違いとは
更新日:2025-09-04 公開日:2025-09-04 by UH
2025年7月15日にAWSの無料利用枠が大幅にアップデートされました。従来の「12ヶ月の無料利用枠」が更新され、新規ユーザー向けに新しい「無料プラン」が登場しました。
今回は新しい無料プランの概要と、実際に試してみた内容について紹介します。
アカウント管理方式の変更とクレジット制導入
プラン選択制の導入
新規アカウント作成時に「無料プラン」または「有料プラン」を選択できるようになりました。
従来はアカウント単位での無料、有料という枠組みがなく、サービス単位での無料枠しかありませんでしたが、今回新たにできた「無料プラン」を選択できるようになり、アカウント単位で管理できるようになったことで、管理がしやすくなりました。
最大200ドルのクレジットシステム
初回100ドルがサインアップ時に自動付与され、5つのアクティビティ完了で追加の100ドル(各20ドル)を獲得できます。利用期間は最大6ヶ月またはクレジット消費まで有効です。
以下のそれぞれのアクティビティはチュートリアルに沿って実行することで数分で完了し、各アクティビティ完了後に追加のクレジットを獲得できます。
- Amazon EC2: インスタンスの起動と終了
- Amazon RDS: データベースの作成
- AWS Lambda: ウェブアプリケーションの作成
- Amazon Bedrock: 基盤モデルでのAI体験
- AWS Budgets: コスト予算の設定
アクティビティ完了後、クレジットが追加されました!
無料プランで利用できるサービス
利用可能なサービス例
一部のインスタンスタイプや、AWS Free TierでAlways freeと称されている以下のようなサービスを利用できます。
- Amazon EC2: t3.micro、t3.small、c7i-flex.large、m7i-flex.large、t4g.micro、t4g.small
- Amazon RDS: MySQL、PostgreSQL、MariaDB、SQL Server
- AWS Lambda: 月間100万リクエスト
- Amazon S3: 5GB無料ストレージ
- Amazon CloudWatch: メトリクス、アラーム


制限されるサービス
無料プランでは利用できるサービスが限定され、高機能なインスタンスタイプや以下のようなサービスが制限されています。
- Amazon Aurora
- AWS Marketplace
- リザーブドインスタンス(RI)の購入
従来プランとの比較
新規ユーザーはサインアップ時に「Free Plan」または「Paid Plan」を選択でき、Free Planを選ぶと以下のメリットがあります:
- $100のクレジットを即時付与
- EC2・RDS・Lambda・Bedrock・Budgetsなど5つのアクティビティ完了でさらに$100獲得可能(最大$200)
- 6ヶ月またはクレジット消化まで無料利用可能。終了後はアカウント閉鎖、90日以内にアップグレードで復旧できる
- Always Free対象サービス(例:Lambda、S3、CloudWatchなど)は引き続き利用可能
従来の無料枠との主な違いを以下の比較表にまとめました。
これまで(2025年7月15日以前) | 新プラン(2025年7月15日以降) |
|
無料期間 | 12ヶ月 | 最大6ヶ月またはクレジット消費まで |
付与される特典 | サービスごと個別の無料枠が適用 | 合計$200のクレジット制 |
アカウント継続 | 無期限 | クレジット消費後自動閉鎖、90日以内に要アップグレード |
利用可能なサービス | 制限なし(Free Tier対象) | 一部制限あり(高コストサービス制限) |
プラン選択 | 単一 | 無料/有料選択制 |
Always Free サービス | 利用可能 | 引き続き利用可能 |
従来はサービスごとに個別の無料枠があり、無料枠に含まれないサービスの利用や、無料枠の利用上限を超えることですぐに課金されてしまいました。
新しい無料プランでは使いすぎても200ドルのクレジット分の余裕があり、クレジットを使い切るとアカウントが閉鎖されるため、不用意に課金されることがなくなります。
注意事項
⚠️アカウント閉鎖リスク
クレジットを使い切る、もしくは6ヶ月経過で自動的にアカウントが閉鎖されます。アカウントを継続して利用するには、90日間の猶予期間内に有料プランへのアップグレードが必要となります。
⚠️Organizations参加時の影響
AWS Organizations参加で自動的に有料プランに移行されます。従量課金が発生する可能性があるため注意が必要です。
⚠️セキュリティとコスト対策
通常のアカウント作成時と同様に、無料プランでもセキュリティとコスト対策が必要になります。クレジットを獲得できる追加のアクティビティでもチュートリアルに沿って予算額を設定しますが、無料プランにはクレジット上限があるため予算額に応じたアラートを設定しておく必要があります。
- ルートユーザーのMFA設定
- IAMユーザーの作成と管理
- 請求アラートの設定
まとめ
新しいAWSの無料プランは、学習や小規模な検証に最適化されており、従量課金への不安を軽減する設計になっています。200ドルのクレジットにより、様々なAWSサービスを実際に体験しながら学習することが可能です。
ただし、本格的な運用や大規模な開発には有料プランへの移行が必要となります。アカウントの自動閉鎖やサービス制限に注意しながら、ぜひ学習や検証目的等での活用を検討してみてください。