【用語解説】Amazon Bedrockとは?AWSの生成AI基盤サービスをわかりやすく解説
更新日:2025-06-19 公開日:2024-07-31 by アツシバ
最近よく耳にするようになった生成 AI サービス。有名なものだと ChatGPT、Gemini、Microsoft 365 Copilot など様々な企業からサービスが展開されています。
そのような中、クラウドコンピューティングサービスで有名なアマゾン ウェブ サービス(AWS)も生成 AI サービスを 2023 年 9 月にリリースしています。今回はその生成 AI サービスである Amazon Bedrock について、どのようなサービスなのか、特徴やメリットを踏まえながら詳しく解説します。
Amazon Bedrockとは?
Amazon Bedrock は AWS が提供する生成 AI サービスで、生成 AI の 基盤モデル(Foundation Model:FM) を API 経由で利用することで、簡単に生成 AI アプリケーションを構築できるサービスです。
基盤モデルを自分で選択することができ、Amazon が提供する Amazon Titan はもちろん、Anthropic Claude 3 ファミリ、Cohere Command‑R/R+、Meta Llama 3、Mistral Large など 10 社以上・30 種類を超える最新モデルに対応しています。
また基盤モデルの種類も以下のように豊富なため、自分が実装したい生成 AI アプリケーションに適した基盤モデルを選び、利用することができます。
モデル名 | 入力データ | 出力データ |
---|---|---|
テキストモデル | テキスト | テキスト |
テキスト&ビジョンモデル | 画像とテキスト | テキスト |
画像モデル | テキスト | 画像 |
埋め込みモデル | 画像かテキスト | 数値表現に変換 |
Amazon Bedrockの特徴
1.インフラ管理が不要
Amazon Bedrock は API を経由して様々な基盤モデルにアクセスできるので、サーバーレスでインフラの管理が不要です。そのため、ユーザーはアプリケーションなどの実装に集中することができます。
2.セキュアな利用環境
利用ユーザーのデータがモデル学習やモデルプロバイダーに共有されることはなく、入出力されたデータを人間がレビューすることもありません。またデータは指定したリージョン内に留まり、現在は東京を含む 22 のリージョンで利用可能なため、国内外拠点をまたいだシステムでも柔軟に選択できます。
さらに 2024 年 4 月に GA(一般提供開始)となった Guardrails を有効にすることで、ハルシネーション検知やコンテンツフィルタリングなど責任ある AI への対応を設定ベースで実装できます。
3.AWSサービスとの連携
AWS Lambda と組み合わせてチャットボットを作成したり、Amazon S3 に置いたデータをモデルに供給したりと、AWS の豊富なサービスとシームレスに連携できます。
Amazon Bedrockでできること
Amazon Bedrock を利用することで幅広い AI アプリケーションを構築することができます。従来、例としてよく挙げられていたチャットボット、バーチャルアシスタント、テキスト要約、コンテンツ制作、コード生成に加え、最近では Bedrock の各種拡張機能を組み合わせることで以下のような高度なユースケースも実現可能です。
- Agents for Amazon Bedrock を使った業務ワークフローの自動化 ‒ 例えば保険請求処理や旅行予約の全工程をエージェントが対話的に実行。
- Knowledge Bases による Retrieval‑Augmented Generation (RAG) ‒ 社内ドキュメントやデータベースを取り込み、文脈を踏まえた回答を自動生成。
- Data Automation で非構造マルチモーダルデータ(画像・動画・音声等)から洞察を抽出し、分析やレポートを効率化。
まとめ
Amazon Bedrock は、生成 AI アプリケーションをフルマネージドかつセキュアに開発できるサービスです。インフラ管理不要、データがリージョン外に出ない設計、AWS の豊富な連携機能という強みはそのままに、2025 年現在は対応モデル・機能・リージョンが急速に拡充しています。
最新のモデルや機能が頻繁に追加されているため、実装時には公式ドキュメントで最新情報を確認しつつ、自社ユースケースに最適なモデルと機能を選択することをおすすめします。